教員(教育公務員)が法令違反を犯した場合や、勤務実績が不良の場合はどのような処分が下されるのでしょう。
一般企業との違いはあるのでしょうか…?
まず確認すべきは、教職員の順守事項、「服務」という言葉ですね。
地方公務員法31条 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。
法令の中に「服務の根本基準」や「服務の宣誓」という用語がでてきます。
では、公務員がそれらのルールを破った場合はどうなるのでしょうか。
今回は守るべき義務を果たさなかった場合の処分について、ポイントを絞って説明していきます。
このブログでわかること
- 教職員の処分には、法令違反による処分と勤務実績がよくない場合の処分がある
- どちらも職員の意に反して下される処分である
- 免職には2種類あり、懲戒免職は身分も退職金も失う最も重い処分である
まず言葉を覚えよう…懲戒処分と分限処分
まず、懲戒処分という言葉は新聞やテレビなどで良く報道されますね。この言葉を聞くたびに、胸が痛みます。決して良い言葉ではありません。
公務員がまた何か悪いことをしたな、とすぐ頭に浮かびますし、公務員だと報道される頻度が高いなと感じるかもしれません。
しかしそれは、ある意味当然のことかもしれません。
なぜなら、公務員は「全体の奉仕者として公共の利益のために勤務」することが法律により定められているからですね。
職業的特徴としても、職務を適切に果たしている限り、民間企業のように売上や業績に左右されることなく、毎月安定した給与が公務員には支給されます。
そういったことからも、公共の利益に反する公務員の義務違反は看過できないものなのですね。
また、公務員という立場は、法令に従う義務を当然のこととして負う立場でもあるわけですから、法律に違反する行為はあってはならないのです。
こういった義務違反に関して、特に法律違反など、その道義的責任を追及し、公務員としての規律と公務遂行の秩序を維持することを目的として科される制裁的な意味を含む処分のことを「懲戒処分」と呼びます。
その一方で、職務を遂行するにあたり、違反行為をしたわけではないものの、公共の利益という観点から、勤務の継続がふさわしいかどうかが問われる場面があります。
一般企業と違い公務員には身分保障があるため、勤務実績が悪いからという理由で、「解雇」することはできません。
このように、公務員としての職務を適切に果たせなくなった場合に行われる身分上の処分のことを「分限処分」と呼びます。これは、公務の能率性確保という観点からであって、決して制裁としての性質は含まれないことが懲戒処分との大きな違いとなります。

懲戒処分と分限処分、「処分」という言葉が共通しているものの、その処分内容は全く違うのでしっかりと整理しておきましょう。出題頻度の高い問題です。
懲戒処分の押さえておくべきポイント
懲戒処分については、処分の内容と処分される事由の2点がポイントです。ここはしっかりと頭の中に叩き込んでいきましょう。
4つの懲戒処分
懲戒は、その処分の重さから4つの種類があります。
①免職
職員としての地位を失わせる処分、いわゆる懲戒免職。所有する免許状は失効し、退職金は支払われないばかりか、共済組合の長期給付に影響を与える場合もある。
②停職
職員を一定の期間、職務に従事させない処分。停職の期間中は給与が支払われないばかりか、共済組合の長期給付に影響を与える場合がある。
③減給
一定の期間、職員の給料の一定額の範囲で給料月額を減ずる処分。
④戒告
職員の服務義務の責任を確認し、その将来を戒める処分。昇給が遅れるなどの措置が行われることがある。
3つの処分事由
懲戒処分が行われる事由には、大きく分けて以下の3種類があります(地方公務員法29条)。
①法令等の定めに違反した場合
②職務上の義務に違反した場合や、職務を怠った場合
③全体の奉仕者としてふさわしくない非行のあった場合
いわゆる教職員の不祥事ですね。飲酒運転やスクールセクハラなど、本当に後を絶ちません。
最近では酒を飲んだ状態で自転車を運転したというのもよく耳にするようになりました。
これらはすべて自分の意思で行っている行為です。
行為の重い軽いはあるかもしれませんが、法令で禁止されている行為です。
処分されて当然と言えるでしょう。
分限処分の押さえておくべきポイント
分限処分については、種類としては4種類ですが、事由としては4つが規定されています。
4つの分限処分
分限処分も4種類がありますが、名称と内容、懲戒処分との違いをしっかりと区別して覚えておく必要があります。分限処分は、身分上の変動をもたらす処分であり、職員の道義的責任を追及する懲戒処分と違い、公務能率の維持向上を目的としている点に注意が必要です。
①免職
職員としての身分を失わせ離職させる処分。要件としては、勤務実績がよくない場合や、心身の故障、その職に必要な的確性を欠く場合などがある。
②降任
職員を現に有する職よりも下位の職に任命する処分。
③休職
職員にその身分を保有させたまま、一定期間職務に従事させない処分。長期の休養を必要とする病気休職や刑事事件に関し起訴された場合の起訴休職などがある。
④降給
決定されている給料の額よりも低い額の給料に変更する処分。
4つの分限事由
分限処分が下される要件は以下のとおりです(地方公務員法28条)。
①人事評価または勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
②心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、またはこれに堪えない場合
③職に必要な的確性を欠く場合
④職制や定数の改廃等により廃職または過員を生じた場合
まとめ
懲戒処分と分限処分、出題頻度の高い問題です。その内容の違いが問われることも多い項目ですので、この2つはセットで捉え、それぞれ整理しながら覚えておくことが肝要です。
| 懲戒処分 | 分限処分 | |
| 処分の目的 | 義務違反に対する制裁 | 公務能率の維持向上 |
| 道義的責任 | あり | なし |
| 処分の種類 | 免職 | 免職 |
| 停職 | 降任 | |
| 減給 | 休職 | |
| 戒告 | 降給 |
今回は懲戒処分と分限処分についてまとめました。
これらは実際に職についても重要な案件ですので、出題者の意図が伝わってきます。
分限処分については、あまり聞き慣れない言葉かと思いますが、公務員における「身分保障の限界」というイメージを持ってもらえればわかりやすいかも知れません。
そう考えれば、懲戒処分とは全く違うものだという理解ができますね。
この項目はもう少し奥が深い所もあります。
今回のこれらのポイントが理解できたところで、お手持ちの参考書等でかならず確認してみてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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