
今回は、公立学校教職員の‟服務”について考えます。
公立学校等の教職員は、「公立」という名の学校のもとでの勤務ですから、地方公務員の身分を有しており、地方公務員法が適用されますね。
その30条では、職員の勤務における姿勢について触れられています。
地方公務員法30条「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」
これは、地方公務員としての順守項目であり、規律に服する義務であると言えます。
当然、公立学校の先生にもこの法令は適用されます。
公立学校の教員は、先生であると同時に、地方公務員でもあるわけです。
今回は、公務員という立場をも有する公立学校等の先生に課される義務について考えていきます。
教員採用試験に出る教育法規 法令が定める公務員とは
まず、公務員について日本国憲法ではどのように規定されているのでしょうか。
日本国憲法15条2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」
すべての公務員は、「全体の奉仕者」であることが明言されています。
これを受け、地方公務員法においても「全体の奉仕者」という文言が出てきます。ここが繋がっているわけですね。
つまり公務員については、「全体の奉仕者として、公共の利益のため」に勤務すること、言い換えれば、ある特定の集団の利益のために勤務するのではなく、全国民の利益のために勤務することが求められる、ということです。
国の公務員であっても地方の公務員であっても基本的には同じ、公共の利益のために、全ての人々のために勤務せよ、ということになるわけですね。

特に、地方公務員法第30条は、地方公務員の「服務の根本基準」と呼ばれることがあります。
教員採用試験に出る教育法規 公立学校などの教員の服務とは
公立学校の教員は地方公務員であることから、服務については地方公務員法に従う必要があります。
ところで、義務と服務。意味の違いを説明できますか?コンパクトにまとめると、
義務:必ず果たさなければならない根本的な責任
服務:義務を実際に遂行するために定められた規律
ということになります。
服務に関しては、「服務規律」という言葉で考えるとわかりやすいかもしれません。
教員の立場で考えてみると、
「服務を厳格に守ることによって、はじめて課せられた義務を全うしているとみなされる」
ということが言えます。

スポーツで例えるなら、ルールを守ることは義務、試合のルールが服務(規律)ということになりましょうか。
教員採用試験に出る教育法規 教員の服務の内容
さて、ここからが本題になります。地方公務員法の大きなヤマ場でもあるので、しっかりと理解して覚えていきましょう。
覚えておくべき公立学校等の教職員の服務義務は、全部で8項目あります。
そして、この8項目は2つのグループに分けられています。まずは、このグループを覚えましょう。
教職員の服務内容
= 職務上の義務 + 身分上の義務
まずはこの言葉をしっかりと覚えてくださいね。
職務上の義務とは、読んだとおり、職務に関して守らなければならない義務になりますが、身分上の義務とはどのようなものを言うのでしょうか…。
地方公務員法35条「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」
ここで言う、「当該地方公共団体がなすべき責を有する職務」は、公立学校等の教職員の場合、勤務する学校での職務ということになります。
学校内での職務と言えば様々な業務がありますが、例えば生徒の成績に関することや、家庭状況などプライバシーに関することもあるでしょう。
そういった職務に対して全力で取り組むことは「職務上の義務」というのはわかりますね。
では、退勤した後はどうでしょう。勤務時間が終わり、学校を離れた場合を想定してみてください。仲の良い友達と食事をしている時に、学校で知りえた内容をその友達に話すことが許されるでしょうか。
当然「守秘義務」というのがありますよね。こういった、職場を離れたとしても守らなければならない義務のことを「身分上の義務」と呼ぶわけです。

公務員としての身分である以上、勤務時間の内外を問わず求められる義務のことですね。
これだけは覚えておこう
今回は、教員の服務と義務についての導入説明を行いました。
教員採用試験でも管理職試験でも、特に重要だと思われる項目ですので、まずはこの導入部分の理解をしっかりしておきましょう。
・義務と服務の違い…義務とは、果たすべき責任。服務とは、義務の遂行を定める規律。
・服務の根本基準…地方公務員法第30条=全体の奉仕者、公共の利益、職務専念
・教員の服務の内容…職務上の義務と身分上の義務=全部で8項目
今回のまとめ
では、空欄に適語を埋めてみましょう。
(1)日本国憲法15条第2項
すべて公務員は、( )であって、( )ではない。
(2)地方公務員法30条
すべて職員は、( )として( )のために勤務し、且つ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに( )しなければならない。
(3)地方公務員法35条
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その( )及び( )のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体が( )を有する職務にのみ従事しなければならない。
お疲れさまでした。
次回は、職務上の義務について、詳しく見ていきます。
次回もお楽しみに!

