教員採用試験(学校管理職試験)合格に向けた教育法規のポイント 学校の管理職、その種類とは

法規

学校には必ず置かなければならない職があります。

校長、教頭、教務主任に生徒指導主事…これらは学校教育法や学校教育法施行規則で定められています(詳しくは「教員の充て職とは」を参照)。

このブログでは、管理職と呼ばれる校長、副校長、教頭について考えていきます。

この記事でわかること
  • 学校の管理職って?
  • 管理職はどんなことをするの?
  • 根拠となる法令

学校の管理職とは?まずは種類を確認!

管理職としてまず頭に浮かぶのは校長、教頭ですね。加えて、副校長を設置する学校もあります。

副校長は、小学校のほか中学校や高校等に設置者の判断により「置くことができる」職です。

教頭はあくまでも教頭ですが、副校長は「副」のついた校長ですから、教頭の上司ということになります。

上下関係を整理すると、教頭の直接の上司は副校長であり、副校長の上司は校長になります。

このあたり、法令では以下のようにまとめられています。

学校教育法37条5項 副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。

同7項 教頭は、校長(副校長を置く小学校にあっては、校長及び副校長)を助け、校務を整理し、及び必要に応じて児童の教育をつかさどる。

なお、第7項だけを見ると、「小学校にあっては」と書かれているため、中学校や高校はどうなっているのかと疑問に思うところですが、学校教育法には、それぞれの校種の項目で「準用する」ことが明記されていますので、上記の法令が適用されることになります。

副校長は、「設置することができる」という、いわゆる「できる規定」になりますので、管理職の設置状況は学校によって異なる、ということが言えます。

また、小中学校と高校では、準用の内容が異なっていることにも注意が必要です。

小中学校では、「副校長を置くときは教頭を置かないことができる」ことになっていますが、高等学校にはこの部分の準用が外されていることにも注意が必要です。

つまり、高等学校には教頭は必置ということになります。

まとめると、以下のようになります。

小中学校:校長、副校長、教頭 ポイント=副校長を置くときは教頭を置かないことができる

高等学校:校長、副校長、教頭 ポイント=副校長の有無にかかわらず教頭は必置

管理職の職務内容とは?

校長先生って、普段は何しているのかしら…?

校長先生って、普段は何をしているのでしょうね…。

もちろん、個々の先生方には個々のキャラクターがあって、人によって普段の時間の過ごし方はそれぞれでしょう。

しかし、学校の場合は、それぞれの立場に置かれた先生方にはそれぞれの職務がやはり法令によって定められています。

ポイントを絞ってそれぞれの内容を見てみましょう。

校長の職務内容のポイント

一言でいえば次のとおりです。

学校教育法37条4項 校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。

具体的な内容に踏み込むとすれば、「校務」とか、「つかさどる」という文言がキーワードですね。

別の表現では、「校務掌理権」と「所属職員監督権」と言うそうです。

「校務をつかさどる」とは、学校運営に関する一切の業務を掌握し、処理(調整・管理・執行)する権限と責任を持っていることを言います。

そして、「所属職員を監督する」とは、当該学校に所属するすべての教職員に対して、職務に限らず行動まで監視し、必要に応じて相談に乗ったり、指示や命令を出すことを言います。

この「監督」には2種類あって、一つは「職務上の監督」であり、もう一つが「身分上の監督」です。

教員には「職務上の義務」と「身分上の義務」があり、これらを監督するということですね(「教員の服務とは」を参照)。

校長先生は、学校の全てに関してかかわりを持つ最高責任者ということです。

副校長、教頭の職務のポイント

副校長の職務については、すでに見たとおり、「副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。」でしたね。そして教頭はというと、

「教頭は、校長(副校長を置く小学校にあっては、校長及び副校長)を助け、校務を整理し、及び必要に応じて児童の教育をつかさどる。」です。

どちらにも共通しているのは、「校長を助け」の部分ですね。

「助ける」とは、校長が持つ職務権限の行使について補佐すること、つまり、校長の職務遂行が円滑に行えるよう情報を集めたり、意見を述べたりすることを言います。

その一方で、副校長と教頭の職務内容で大きく違う点もあります。

副校長:命を受けて校務をつかさどる

教頭:校務を整理し、必要に応じて児童の教育をつかさどる

校務に関しては、教頭として可能なことは「整理」にとどまるのに対し、副校長は「つかさどる」ことができるのです。

ただし、「命を受けて」という条件がついていますね。誰からの命か、それはもちろん校長です

校長からの命令があれば、副校長は「校務掌理権」や「所属職員監督権」を行使できるのですね。

ところで、教頭に関しては、必要に応じて「児童の教育をつかさどる」とあります。

「つかさどる」とは、業務を掌握し処理することを言うのでした。

つまり、教頭先生は授業を担当することができる、ということになるのですね。

代理と代行。何が違うのでしょう…。

管理職の業務について、最後に頻出項目を見てみましょう。

それは、「代理」と「代行」です。

普段の会話でも「代理」という言葉はよく出てきますね。「職務代理」という言葉もよく耳にします。

教育法規では、この違いについて整理しておかなければなりません。

学校教育法37条6項 副校長は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行う。(以下略)

同法8項 教頭は、校長(副校長を置く小学校にあっては、校長及び副校長)に事故があるときは校長の職務を代理し、校長(〃)が欠けたときは校長の職務を行う。(以下略)

まず、「事故があるとき」ですが、これはいわゆる一般的な事故のことを言うのではありません。

ここでいう「事故」とは、校長が海外出張や入院などで意思決定できない場合のことを言います。

そして「欠けたとき」というのは文字通り「欠ける」、つまり死亡等により「欠ける」ことを言います。

また、責任の所在についても注意が必要です。

「代理」の場合は、あくまでもその職の代わりを務めることですから、もし何か責任問題になった場合は、校長に責任が及びます。

一方「代行」の場合は、そもそも校長の存在がない状況での行為決定になるので、責任問題になった場合は代行者に責任が及ぶことになります。

まとめ

まず、副校長のポジションについて、しっかりと整理しておきましょう。

小中学校と高校ではそのあり方について違いがありました。

法令における管理職の職務内容についてもそれぞれ違いがありました。

「つかさどる」内容もそれぞれのポジションで違いがありました。

今回は、管理職の職務内容について、それぞれを比較しながら概略を考えてきました。

この後は、それぞれの職務内容について深堀していってくださいね。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

引き続きコメント等お待ちしております。

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