教頭試験に出る! 教員の時間外勤務 超勤4項目とは?

法規

学校(公立学校)に勤務する教職員の勤務時間は、様々な法律にその定めがある中で、最終的には都道府県(地方公共団体)の条例にその定めがあります。

休憩時間を除き、1日7時間45分、1週間では38時間45分です。

(詳しくは 👉先生(教員)の勤務時間、法令ではどんな感じ?)

しかしながら、実際の勤務の状況を見ると、到底この勤務時間内にすべての業務を完了させることは不可能です。

法令では、そのあたりどのようになっているのでしょうか。

今回の記事では、勤務時間を超えた場合の勤務の考え方について見ていくことにします。

今回の記事で考えること
  • 教育職員には、原則として時間外勤務を命じることはできない
  • 時間外勤務手当(休日勤務手当を含む)は、支給されない
  • 原則を超えた業務として、4つの業務に限り時間外勤務を命じることができる

教頭試験で問われる教員の時間外勤務の捉え方

教員に残業代が支払われないワケ

公立学校の教職員であれば、法令順守は大前提にあります。

地方公務員法です。

地方公務員法第32条「法令及び上司の職務上の命令に従う義務」ですね。

(詳しくは👉教員採用試験(学校管理職試験)合格に向けた教育法規のポイント 教職員の「服務」とは~2~)

リーガルマインドではありませんが、法に守られている以上、法には従わなくてはなりません。

勤務時間を超えた場合の勤務についても、しっかりとその定めがあります。

この法令名は長くて覚えにくいので、よく通称が用いられることが多いですが、我々の勤務に直接関わる内容であるため、管理職試験での出題頻度は高いのではないでしょうか。

それは、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」で、よく「給特法」と呼ばれています。

先に第2項から見てみます。

給特法3条 2 教育職員については、時間外手当及び休日勤務手当は、支給しない。

教員には残業代が出ない、なんていうことを耳にしたことがあるかもしれませんが、これがその根拠なのですね。

ところで、この法律が制定されたのは1971年です。

その当時の教員の仕事がどのように考えられていたのか、と言うことを考えると、教育に対しての国の姿勢はあまり積極的ではないな、と感じるのは私だけでしょうか…?

折しも国は高度経済成長真っ只中、民間の給与もどんどん上昇していった時代だったのですね。

いつの時代も、教職員への待遇は後回しのようです。

私は、「国家百年の計」という言葉が好きです。

100年後の国家がどのようなものであるのか、その国家を支える人材はどうあるべきか、その人材を育てるのが教育であり、その役割を担うのがわれわれ教員ではないでしょうか…。

ノーベル賞受賞の研究者が、「ノーベル賞を取ることができたのは小学校の実験だった」、とおっしゃったというエピソードを耳にすると、われわれの業務は、子どもたちに未来の種を植えることだな、ということが実感できます。

話が逸れましたが、どんな状況であれ、われわれは法律に従わなくてはなりません…(涙)

ただし、そうは言っても、勤務時間が終わったからと言って業務を投げ出されても困りますね。

その部分を抑制することが同法には先に明記されています。

給特法3条 教育職員には、その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。(一部省略)

3条で「教職調整額」(つい最近まで、わずか4%だったのですよ!)を支給することに触れていて、続く第2項で時間外手当は出さない、って言っているんですね。

法律というものが、そもそもどのような組み立てになっているのかはわかりませんが、この順序だては、教職調整額支給するから残業代は出さないよ!と言っているようなものですね…。

令和のこの時代になって、ようやっとこの4%が見直されるようになりました。今後、段階的に10%まで引き上げられます。

 

その当時の教員の超過勤務時間が月約8時間という調査結果がその根拠らしいのですが、月8時間って、今思えば「は?」って感じです。

実際には勤務時間が終わっても仕事してるんですけど…

で、ここが少し難しいところなんですが、勤務時間が終わっても仕事は終わりませんね。

生徒指導をしたり、翌日の授業の準備をしたり、部活動の指導もあります。

これらはある意味個人の領域、教員の自主性だったり創造性にかかわる部分で、勤務時間の把握は一律にはできません。

そういう意味で、それらすべてを包括した一律4%(当時)が教職調整額として支給される、ということなんですね。

逆に言えば、4%支払う代わりに必要な業務はやりなさい、といえます。

遅くまで業務に追われている人も、勤務時間がおわったらさっさと帰ってしまう人にも一律4%が支給される。

平等なのかそうではないのか…今後段階的に10%まで引き上げられるとしても、いずれまた議論される問題かもしれません。

教頭試験で問われる教員の勤務時間外勤務 超勤4項目とは

勤務時間外については手当が支給されないのですから、当然勤務の義務は発生しませんね。

法令では、一応、このことにも触れています。

給特法6条 教育職員を正規の勤務時間…を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとする。(一部省略)

つまり、政令で定める基準に従い条例で定める場合以外は、勤務させることができない、ということですね。

この政令は、「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」と呼ばれるもので、簡潔にまとめると次のことを言っています。

  1. 教育職員には正規の勤務時間の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務を命じない
  2. 臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限り時間外勤務を命じることができる

この、「臨時又は緊急のやむを得ない必要」について、以下の4つの項目が挙げられています。

  1. 校外実習その他生徒の実習に関する業務
  2. 修学旅行その他学校の行事に関する業務
  3. 職員会議に関する業務
  4. 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務

この4項目のことを 超勤4項目 と呼ぶのですね。

ところで、ここは試験によく出ます。私は管理職試験を複数回受けましたが、面接ではほぼ毎回聞かれていたように記憶しています。

しかし…覚えやすい内容にもかかわらず、

面接では想像以上に緊張して、なかなか口に出てこなかったのです…。

「超勤4項目」という言葉は覚えていてもその内容がなかなか口に出せませんでした。

同僚職員も同じようなことを言っていました。

こうならないように、皆さんはしっかりと何度も口にして練習しておいてください。

多くの自治体で頻出問題ではないでしょうか…。

また、この4項目は、制定当時、別名「歯止め4項目」とも言われていました。

教員の時間外勤務を例外的な4つの業務に限定することで、長時間労働を抑制した(したかった?)のですね。

これで教員の働き方改革になる、そう考えていたのでしょうか…?

この考えが世に出たのが今から20年以上も前になりますが、この時もっと大掛かりに教員の働き方改革について議論されていれば、今はもっと働きやすい環境になっていたかもしれませんね。

今はあまり聞かれなくなってきたように思います。

働き方改革は、まだまだ道半ばといったところでしょう。

教頭試験に出る!教員の勤務時間と超勤4項目 まとめ

教職員の勤務に関しては、土曜日や日曜日、祝日の考え方や休業日についてもいくつか見ていく必要がありますが、多岐にわたるため別の記事でまとめていきます。

今回はそういった教職員の勤務に関する第一歩としてまとめてみました。

  • 教職員には正規の勤務時間を超えて勤務させてはならないこと
  • 4つの例外があること
  • 時間外勤務には手当が支給されないこと

について、根拠法令とともに考えました。

最近は、働き方改革について問われることが多いと思いますが、まずは勤務時間や時間外勤務について理解したうえでの働き方改革です。

しっかりとその法的根拠を整理したうえで問題にあたっていく必要があります。

特に先生方の中には、管理職に対して意見する方が少なからずいらっしゃいます。

例えば、職員会議で(放課後行われることが多いと思いますが)、このような場面を見たことはありませんか?

「職員会議中ですが、勤務時間が終わっているので先に失礼てもいいですか。」

教頭先生として、このように言われたどう対応しますか…?

管理職試験を受けるとは、特に教頭試験では、

「教頭としてどう対応するか」

という視点での解答が求められます。

今は教頭でなくとも、試験では、あなたは教頭先生です。

毅然とした態度で、この人だったら教頭を任せても大丈夫、と思われる姿勢が大切です。

特に面接では、この部分は特に重要だと思います。

上辺だけの言葉の暗記だけにはならないようにしましょう。

面接官は、あなたの教頭としての力量を測っているのだと思います。

自信を持って、はっきりと、自分の言葉で答えられるよう準備してくださいね。


働き方改革にも密接な関係を持つ時間外勤務と超勤4項目の説明はいかがでしたでしょうか。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

引き続き、ご意見ご感想をお待ちしております。

 

 

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