教育委員会と学校の関係 校長先生に上司はいるの?

法規

学校では、校長先生が最終的な意思決定者であり、その責任を負うことになっています。

これは校務掌理権と呼ばれ、校長の職務の1つです(詳しくは「学校の管理職、その種類とは」参照)。

しかし、だからと言って、校長先生は好き放題なんでもかんでもやりたいことができるのでしょうか?

そうはいきませんね。公立学校の場合では、そのあたり、法令でしっかりと規定されています。

今回は、校長先生には上司がいるの?校長先生への指導は誰がやるの?について考えてみます。

この記事でわかること
  • 校長の上司は教育委員会
  • 教育委員会は公立学校の管理運営について、権限と責任を有する
  • 具体的な学校運営は校長に委ねるが、その役割分担を定めるのが学校管理規則

学校に対して教育委員会が定める規則とは?

そもそも論として、公立学校の管理主体は、地方自治体ですよね。

〇〇町立~小学校とか、◇◇県立~高等学校のように、町だったり、県だったりが管理しているのはよくわかりますね。

このことは「学校の設置者」として、法令の中によく見かけます。

「学校の設置者」とは、市町村や都道府県といった地方公共団体であって、教育委員会ではありません。

学校の設置者と教育委員会は何が違うのでしょう。

すこしややこしいのでまとめると、次のようになります。

役割 主体 法的根拠 内容
 設置者  地方自治体  学校教育法  学校を作る
 管理者  教育委員会  地教行法  学校を運営する

地教行法は長いので覚えるのが大変ですね。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」です。

ここで覚えておくべきは、学校の設置者は地方自治体であって、教育委員会は学校の管理者と言うことです。

この法令の中に、教育委員会による学校の管理運営についての定めがあります。

地教行法33条 教育委員会は、法令又は条例に違反しない限りにおいて、その所管に属する学校その他の教育機関の施設、設備、組織編制、教育課程、教材の取扱いその他の管理運営の基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるものとする。(以下略)

教育委員会が定める規則のうち、その所管に属する学校を管理運営するために定められた規則の総称を学校管理規則と呼びます

学校の管理運営について、教育委員会と学校の役割分担を定めている規則です。

それぞれの学校においては、当然のことながらそれぞれの学校の独自性もあります。

この学校の独自性が発揮できるよう保証されている規則、それが学校管理規則と言うこともできます。

学校管理規則の具体的な内容は?

学校を管理する…何を管理する?

地教行法には、教育委員会の職務権限が定められています(第21条)。

その内容を大きくまとめると、学校経営については、以下の3点に絞ることができます。

  1. 人的管理:学校の教職員に関すること…教職員の身分や服務に関する管理
  2. 物的管理:学校の施設・設備に関すること…建物や教材、教具に関する管理
  3. 運営管理:学校での教育活動に関すること…組織編成や教育課程、学習指導に関する管理

実際に学校の管理について考えてみると、確かにこの3つの領域に分けるとわかりやすいですね。

もし仮に、新しく学校を作る、となれば、まず考えていかなければならない項目は、

『学校に勤める職員、人以外のモノ、教育プラン』になりますね。

学校管理規則、つまりその目的は…

教育委員会が管内の学校の管理の実際を任されていることは先に述べました。

しかしながら、教育委員会が、教育委員会のみをもってすべての学校を管理するとなると、どうでしょうか。

自治体にもよりますが、管理対象の学校が1校なんてことはありませんよね。

特に大きな自治体では、かなりの数を管理していかなければなりませんし、実効性の面から考えても効率的とは言えないでしょう。

そういう意味においても、学校に任すことのできる業務は学校(校長)に任せて、教育委員会と学校との役割分担を明確にしておくことが、お互い業務を遂行していくためにも有効ですね。

まさにこのことが、学校管理規則の目的と言えるでしょう。

教育委員会の判断が必要な業務校長の判断で処理できる業務とを区別するためのマニュアル、それが学校管理規則と言うわけですね。

教育委員会と学校は、切っても切れない関係にある!

ざっくりまとめると、以下のようなイメージでしょうか…。

👉学校を作るのは、自治体

👉👉自治体の中で、教育分野を管理執行するのが教育委員会

👉👉👉教育委員会は全部の学校の面倒を見ることは実質的に不可能

👉👉👉👉学校の独自性が発揮されるためにも、学校で処理できるものは学校(校長)に任せる

では、教育委員会は学校に何を任せるの?

教育現場では、それぞれの学校がそれぞれのオリジナリティを発揮することも求められます。

教育委員会はそういったことを下支えする意味でも学校(校長)に任せられる内容は学校で処理することを認めています。

例えば、高校を例にとってみるとわかりやすいかもしれません。

進学実績を伸ばしたい学校では、大学進学を目指し主要科目に重きを置くことになります。

就職に力を入れている学校では、社会に役立つ実務系の科目に重きを置くでしょう。

こういった判断は各学校に任せる、ということを言っているのですね。

その一方で、例えば文部科学省から全高等学校に向けて発せられた通知は各学校に任せておくわけにはいきません。

教育委員会がしっかりと管理し、各学校に指導をしていかなくてはなりません。

教育委員会は、学校管理規則に基づき、学校(校長)に指示を与え、指導助言を行う立場でもあります。

こういった”すみ分け”を明確にしているのが学校管理規則と言うことになります。

ある意味、持ちつ持たれつの関係と言えるのかもしれません。

校長は、教育委員会との連携を保ちつつ、任された自校の学校運営を取り仕切る、と言うことになります。

で、教育委員会と校長、どっちがエライの?

教育委員会が学校の管理執行機関であることから、学校は教育委員会の支配下にあることがわかりました。

ということから、学校の上司という立場にあるのが教育委員会であり、学校を取り仕切る校長は教育委員会が上司と言うことになるのですね。

どっちがエライのか?という問いに対しては、法令上、立場上、教育委員会が校長の上司になります。

しかしながら、法令上はそうであっても、子供たちの教育に資する、自校を直接管理する現場の総指揮をとっているのが校長先生ですから、教育上どっちがエライのか、という観点からいえば同等(そもそも比較対象にはならない)と私は考えています。

学校の管理とは、教育委員会の管理と校長の管理の2種類がある!!

一言で管理と言っても、誰が何を管理するのか?の視点が大切ということですね。

その通りです。

「学校を管理する」って、足りない言葉を補う必要があるキーワードの1つと言うことになりますね。

域内の学校を包括的に管理するのが教育委員会、域内のそれぞれの学校を直接管理するのが校長先生、ということになります。

見えない言葉を補って考える、この視点は持ち続けていかなくてはなりませんね。


今回は、教育委員会と学校の関係について考えてみました。

教育委員会の指導を受けながら学校の独自性を発揮していく、その”かじ取り役”が校長先生です。

校長先生の具体的な職務内容については、「学校の管理職、その種類とは」で詳しくまとめていますから、よかったらそちらもご覧ください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

引き続き、ご意見・ご感想お待ちしております。

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