教員採用試験(学校管理職試験)合格に向けた教育法規の学習ポイント 職員会議とその法的根拠

法規

学校では、入学式に運動会や学園祭、遠足や修学旅行など様々な行事が行われています。

また、毎日の授業や担当者、給食の時間に掃除の時間、お便りの作成や通知表の作成など、学校には様々な決まり事があります。

こういった、学校で起こっているさまざまな出来事に対しては、全職員の共通理解が必要です。

その共通理解を育てる場、職員会議が今回のテーマです。

この記事でわかること
  • 職員会議は、最終意思決定機関ではない
  • 職員会議は、校長が主宰する(主催ではない!)
  • 職員会議は、校務の円滑な遂行を補助する校長の補助機関である

職員会議について正しく理解していますか?

そもそも職員会議とは?

職員会議、という名称から何を連想しますか?

「会議」という言葉から、学校で行われる様々な決まり事などを決定する場と勘違いしている人が多いようです。

「職員会議で決まったのだから、校長が反対しようと、職員の総意が優先されるべきじゃないの?」

こんな解釈が一部ではある(あった?)ようです。

はたしてそれは正しい理解と言えるでしょうか…?

そもそも、校務掌理権を握っているのはほかでもない校長です。

校務掌理権とは、学校の業務に関する一切の事務を処理する権限と責任があることを言うのでした。(「学校の管理職、その種類とは」参照)

にもかかわらず、職員会議で職員の総意があるからと言って、校長の意に反する内容を押し通してしまう…

これでは正常な学校運営とは言えないですね。法令にも違反していることになります。

過去には、職員会議の性格については議論(①最高議決機関説 ②補助機関説 ③諮問機関説)がありました。

学校においては、それぞれの解釈のもと運営され、中には裁判沙汰に発展したものもあったようです。

そのような経緯の中、2000年の学校教育法施行規則の改正の折、職員会議の目的が明確にされ、この議論には終止符が打たれました。

職員会議の法的根拠とあるべき姿

どのように改正されたのですか?

職員会議について、あらためてその内容が盛り込まれました。

学校教育法施行規則48条 小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる。

2項 職員会議は、校長が主宰する

準用規定があるので、どの学校種においても、職員会議は、「校長の職務の円滑な執行に資するため」に置かれる、ことになりました。

これにより、職員会議は「補助機関説」という性格が明確になりました。

何かを職員会議で議決する、という考え方はふさわしくないのです。

ところで、主宰する」という文言には注意が必要です。「主催」ではないのですね

「主宰」とは、団体や組織を代表して統率・運営することを言うので、開催・運営するという意味の「主催」とは全く違う意味になってしまいます。

(特に筆記試験では、この漢字の間違いは致命的になるかもしれません。しっかりと覚えておきましょう。)

学校におけるさまざまな決まり事を決定する際に、全職員がその内容を共通理解し、最終的には校長先生が責任を持って意思決定を行う上での補助機関、それが職員会議ということになります。

職員会議の役割や機能を整理する

学校における様々な活動や行事などは、全職員が共通理解のもと、同じ方向に向かっていくことが必要です。

特に教職員が数多くいる場合には、情報の洩れや内容を理解するうえで齟齬がないことは言うまでもありません。

学校で決定したルールから逸脱した教育活動を行っては学校の信頼にも傷がつきます。

職員会議の意義・役割

具体的に職員会議の意義としては、以下の点が考えられます。

  • 校長を中心に、全教職員が学校の教育活動を円滑に運営していくための共通理解を深める場
  • 調和のとれた学校運営を目指し、実施する教育活動について意見交換を行う場

児童、生徒から見れば、先生はみんな一緒です。先生一人ひとりの言うことが違っていたら、子供たちは何を信じてよいのかわからなくなってしまいます。

共通理解のもと教職員が一致協力して子どもたちの教育活動を展開していく、そのためにも職員会議は重要な役割を担っています。

また、組織が大きい場合や大きなプロジェクトについて検討していく場合には、企画委員会や運営委員会といった小さな検討委員会で議論を進め、職員会議で周知徹底を図るということも考えられます。

学校の規模やプロジェクトの実態に応じて、職員会議は組織的、機能的な運営が期待されます。

職員会議の具体的な機能

法的に具体的な位置づけが明記された職員会議の具体的な機能としては、大まかに以下の点が考えられます。

  1. 校長の意思伝達機能…校長の方針や判断、意思決定等を職員に周知する
  2. 教職員の学校経営参加機能…学習指導や進路指導、生徒指導や卒業等について熟議を行う
  3. 教職員の連絡・調整機能…担当や分掌、学年からの報告や懸案事項について検討する
  4. 教職員の研修・研究機能…授業改善やいじめ対策、コンプライアンス等について学びあう

特に1や2に関しては、職員の理解が得られない場合も想定されます。そのような場合には、副校長や教頭がその間に立ち、両者の意見の溝を埋めていくことが求められます。

繰り返しになりますが、意思決定機関ではないので、意見が割れた場合は多数決で決める、ということがあってはなりません。

教職員集団が一致団結して学校運営にあたる、この理想に近づくために、校長を含めた全職員が意思統一を図る場、それが職員会議です。

このような学校には、自然と魅力が感じられるようになり、地域からも信頼される学校となるでしょう。

特に管理職を目指そうとする先生方には、この点をしっかりと押さえておいてほしいと思います。

今回のまとめ 職員会議は意思決定機関ではない!

学校運営においては、校長先生が最終意思決定者です。

職員会議の場で、多数決で何かを決定する、ということはあり得ないのですね。

何かを決定する場が必ずしも「会議」というわけではないのです。

校長先生も人の子ですから、当然何かを決めなければならないときに悩むということもあるでしょう。

さまざまな立場の人から意見を聞いて、内容を吟味し、教育活動としてふさわしいものとなるよう熟議を重ねていく、これが職員会議の肝です。

そのうえで、最終的に意思決定を下すのは校長先生、ということです。

それが、校長の「補助機関」ということですね。

したがって、職員会議は、意思決定機関ではなく、熟議の場、と言えるのです。

教育活動ですから、異論も反論ももちろんありますし、まとまらないこともあるかもしれません。

そんな場面を集約し、先生方を同じ方向に向かわせる大変貴重な場、それが職員会議です。

学校のため、児童生徒のため、地域のため…教職員として何ができるかをみんなで検討し、実現していく。学校を動かす原動力、それが職員会議の大きな意義といえるでしょう。


今回は、職員会議について考えました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

引き続き、ご意見ご感想お待ちしております。

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